こども相談室

2009年11月10日

第31回 あかちゃんとおしゃぶり

赤ちゃんがおしゃぶりを口にしている姿はとてもかわいく微笑ましいものです。かわいいホルダーを付けたファッション性が受けてか、乳幼児におしゃぶりを与えている親をよく見かけるようになりました。乳児が泣いていた時に泣き止ます手段として便利な育児用意品ですが、おしゃぶりの使用については色々な意見があります。

 

おしゃぶりの利点

・かわいい!とてもファッショナブル
・精神安定(胎児も母体内で指しゃぶりをしているので自然行為?)
・簡単に泣き止む。静かになる。入眠がスムーズ。
・母親の子育てのストレスが減る(これが一番の利点?)
・鼻呼吸や舌や顎の発達を促進する(おしゃぶりの宣伝。学問的検証なし)

 

おしゃぶりの欠点

・習慣性になりやすい。(おしゃぶり使用中は静かでおりこう)
・あやすのが減る。ふれあいが減る。発語の機会が減る。意思表示の機会が減る。
・長時間使用すると葉のかみ合わせが悪くなる(上下の前歯の間に隙間ができる)
・こどもがどうして泣いているのかを考えないで使用する可能性がある。
・学習の機会が奪われる(赤ちゃんはなんでも口に持っていくことで学習しています。おしゃぶりをくわえていると出来ない・・・)

 

とは言っても・・・

噛み合わせの異常は2才までに中止すれば発育とともに改善される。とのことです。また、発語の遅れや、発達障害とおしゃぶりの因果関係は検証されていません。
おしゃぶりを使用している間も、声かけをし、一緒に遊ぶなどふれあいを大切に。子育ての手抜きとして利用しない。(耳の痛いお母様もいらっしゃるのでは?)発語や言葉を覚える1才過ぎたらホルダーをはずし常時しようしない。遅くとも2才までに使用を中止する。・・・以上を頭に置きおしゃぶりを上手に利用するといいでしょう。
乳児の指しゃぶりは自然な行為であり、それに代わるおしゃぶりの使用は自然なのかもしれません。しゃぶりの安定感を実感し安定した精神状態を保つ、とてもいい効果も期待できます。十分なスキンシップがあれば、自然に不要となっていくでしょう。
色々な育児用品が溢れています。各々の利点・欠点を理解し、上手に楽しく子育てしましょう。

 

(千葉県小児科医会 理事 宇田川 淳子 医師)

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