こども相談室

2012年3月10日

第40回 風疹

風疹とはどんな病気ですか?

発熱と発疹の出る感染症です。今年は例年に比べ、風疹の患者さんが多く発生しています。

 

原因はなんですか?

風疹ウイルスが原因です。感染している人の咳やくしゃみなどを介してうつりますが、その伝染力は、はしかや水ぼうそうよりは弱いと考えられています。

 

どのような症状が出ますか?

感染してから、14 〜21日間の潜伏期間の後、発熱、発疹、リンパ節腫脹が認められます。
ただし、発熱は風疹にかかった人の半分程度にしか認められません。発疹は、紅く小さく、皮膚から少し盛り上がった形で、全身に認められます。リンパ節腫脹は、特に首の後ろが腫れるのが特徴です。咳や鼻水も出ますが、軽度です。

 

風疹にかかると問題になることがありますか?

妊娠初期の頃に、風疹にかかるとお腹の中の赤ちゃんも風疹にかかってしまい、その結果、赤ちゃんの心臓や眼、耳などに悪い影響が出ることがあります。これを先天性風疹症候群と呼びます。

 

どのように診断しますか?

症状と周りの流行状況から診断します。風疹ワクチンを受けたことのある人が、風疹にかかったときには、典型的な症状が現れないことがあります。診断に迷う場合、最近では、のどや血液、尿などを用いて、風疹ウイルスの遺伝子を検出することで診断することが可能になっています。

 

治療法や予防法はありますか?

残念ながら風疹ウイルスに対して効果のある薬はありません。一方、風疹を予防するワクチンはあり、現在、麻疹・風疹混合ワクチンとして、1歳のときと小学校入学前1年間の2 回、接種することになっています。また、平成25 年3月までは、麻疹・風疹ワクチンを1 回しかうっていない中学1年生と高校3 年生もワクチンを無料で受けることができます。

 

登園・登校は可能ですか?

発疹が消失するまでは、他の人にうつす可能性があるので、お休みしなくてはいけません。なお、風疹は法律で全例届け出が必要な感染症とされています。

 

(千葉県小児科医会 理事 石和田 稔彦 医師)

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